やっぱり...実里は音と臭いしか人を追うことが出来ない。つまり、実里は音がすれば絶対にそこへ向かう。その時に源太さんや幸江さんがいると巻き添えを食らってしまう恐れがあるから、音が聞こえても「実里が行くからこっちを探そう」となるはず。
今の状況を見ると、私の読みは的中していた!
「やめて!来ないで!どうしちゃったのよ実里!?お願いだからもうやめて!」
私は訴えながらホースにつまづいてわざとコケる。そのことを察した実里は笑い声を漏らしながらドンドンと距離が詰まっていく。
私はすぐに立ち上がり少しの距離だけ走った。少しだけで充分なのだ。実里がホースの所まで来るにはそれくらいでいいのだ。
案の定私がT字路の突き当たりに来た時には実里はホースの一歩手前。
私はその瞬間は時が遅く感じた。うまく引っかかってくれるかどうか...不安と楽しみでドキドキが止まらなかった。
そんな私の気持ちが通じたのか、実里はホースに引っかかり女の子の声をあげながら前のめりで倒れた。
そして倒れた実里の足に秀哉と咲が思いっ切り蹴りをくらわした。当然これも作戦通りの行動、実里は足を蹴られて痛みの声を少し漏らすと歯を食いしばりながら怒りの形相で立ち上がろうとする。
私は包丁を素早く持って気付かれないよう、そして迅速に実里に近づいた。



