首取り


とにかく、省吾が犠牲になってくれるお陰で私達は誰一人としてかけることはなく、実里をこれから殺すことが出来る。
省吾には悪いけど、自分で決めたことだからいいわよね?



私達が逃げていく真反対の方向には何発かの発砲音と物が壊れる音がしばらく続いた。その音を聞いて一人一人がどんな感情を持ったか知らないが、私は感謝を心の中でしながら目的の所へ向かった。


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旅館内はさっきの騒動が最後で、相変わらず静かなままだった。異臭が鼻を刺激しすぎたせいか、今ではあまり気にしない程度まできていた。私の心臓はバクバクと音を鳴らしていて、その反動でおもわず自分の身体も一緒に動きそうになりそうになる。
これが失敗すれば恐らく全滅の可能性はとても高い。だが、成功すれば脱出も楽になり、気持ちも清々しいことだろう。いや、失敗するはずがない。完璧なのだから、初見じゃあこれは防げることはないだろう。

私達はT字路の真ん中に集まっていた。風華の母親と蘭はホースを持っていて、私は包丁を握っていて後は手ぶら。わざわざ廊下の所へ、ましてはT字路の中心で棒立ちなんて第三者からすれば異様な光景、正に自殺行為だ。だが作戦を実行するにはこれが最善の形だ。

私は皆の緊迫した表情を確認して、大きく深呼吸をする。