「何か策でもあるの?猟銃を持っているベテランのハンターに勝てる対策があるの?それなら是非聞かせてもらいたいわ。」
咲は悔しそうに黙り込んだ。そう、対策なんてある筈ない。そんなのは咲自身もよく知っているのだ。
「....いいんだ咲さん。僕は貴女から言われたことに勇気を貰って今こんな自殺行為みたいなことをしているんだ。感謝してるんだ。
その恩返しをしたいんだ....」
「馬鹿野郎!それだったら尚更こいつを外へ出すまで手伝えよ!一緒に逃げるんだよ!」
そう言って秀哉は省吾の手伝いをしようと幸江さんに近づいていった。多分、殺す度胸はないから首を締めて失神といったところか...だが....
すると二回目の発砲音がすぐ右の方から聞こえた。その銃弾は蘭の頬をカスった後、調理場の戸を貫通した。
その音に反応して皆の視線が一気に右へいくと、そこにはまだ距離があるものの煙をたてる銃口を向けていた源太さんの姿があった。
源太さんは険しい顔を一瞬だけすると更に距離を詰めてくる。今度こそ本格的に逃げなければ...
「早く行ってくれ!!ここは僕が引き受ける!!...助けないといけない人がいるんだろ?....僕の分まで助けてやってください....」
省吾は涙を浮かべながら説得するように言った。秀哉はその意志を尊重したのか、力強くうなづいた。



