首取り

小百合はまだやり始めたばかりだったから説得が出来たが、この人は少なくとも何年もこれをやっている。もしかしたら何十年かもしれない。
いずれにせよこの人は殺しを止めるつもりがない。...じゃあ私達も殺していいわよね?

幸江さんが咲の方へ目線がいっているのを見計らって、私は後ろポケットから包丁すかさず取り出して一気に間合いを詰めた。

だが、それすらお見通しだったのか幸江さんは銃を鈍器のようにして私の頬を思いっきり殴った。私は殴られた時に意識が一瞬朦朧として、崩れるように倒れた。


バンッ!


その音で私の意識が戻り、同時に焦った。
撃たれたかと思い意識を身体の方へもっていくが特別痛みは感じていない。顔を上げると幸江さんは煙が出ている銃口を私の方へ向けていた。だが、若干ズレていることに気付いて床を見るとギリギリ当たらない所に穴が空いていた。
秀哉は悔しそうにしながら私を見ていた。恐らく私が殴られた後、勢いに任せて幸江さんに向かっていこうとしたのだろう。


「ふふふ。次動いたら今度こそ頭に一発お見舞いするわよ?
そこの貴女!私の隙をついて距離を縮めようとするんじゃないよ!バレバレだからさっさと後ろへ下がりなさい」


幸江さんの怒号は蘭に向けられていた。蘭は仕方がなく後ろへゆっくりと後退していく。