首取り


すると戸がバンッ!っという音と共に勢いよく開いたと思うと、拳銃の銃口をこちらへ向ける幸江さんがいた。幸江さんは勝利の笑みを浮かべながら戸の外で構えていた。


「ふふふ....運が悪かったわね、ばったりと...出会ってしまったもの。ここじゃあ...さっきみたいに避けられることは無さそうね....
もう逃げられない。もう逃がさない!
大人しくしてなさいよ。痛みを感じさせないようにせめて眉間を貫いてあげるから。
だけど、貴方は殺さないであげる。さっきのことで私は身内にこっぴどく怒られてムカついているけど、実里が貴方の事を探しているからね...足に二・三発打ち込むだけで許してあげるわ」


幸江さんは調理場を見回すと秀哉の方へ目線を合わせる。
確かに幸江さんの言う通りで、ここには逃げ場何てない。後ろの保管室の場所へ避難すれば何とかなりそうだが、助かっても恐らく半分以下の人数だろう。順番待ちをしている内に殺されてしまう。
今の位置的には私と秀哉が圧倒的に不利、保管室も一番遠いし敵が目の前にいる。この不利な位置を何とかして移動したかったが、大胆にそんなことをしても結果は目に見えている。かと言ってここでじっとしていても殺される。
私は絶対に生き残らなければいけない。

私は秀哉の方へ体重を徐々にのせていった。そして必死の思いで秀哉の腕を掴んだ。