首取り

私は囁くように静寂の空間に一息吹かしてやった。それを機に秀哉がゆっくりと口を開いた。


「....確かにそうかもしれない...」


「秀哉!」


「咲。現実的に考えたら確かに愛梨の言う通りなんだよ。警察も助けてくれないし、「首取り」もバカじゃない。地下はともかく出口は絶対に守ってるだろうし、実里は何とかしないと結局は無理だ。この旅館から出ても、車までは距離があり過ぎる。絶対に追いつかれて殺される。折角助け出してもだ。
...俺だってこんなことやりたくはねぇよ。だけど、仕方がない....他の人達はやる必要がなければやらなくていい。愛梨。俺はお前の案に乗った。」


「秀哉君....」


はぁ。ようやく自分が間違ってる事に気がついたのか...本当にバカは困るわ。だけど、まだ人数が必要だ。


「で?秀哉だけなの?私の案に乗ってくれる人は。」


「....愛梨。あんた本当にどうしちゃったの?」


「....蘭。辰吾もそうだったけど、私は元よりこんな感じ。現実を人一倍見てるだけだって、それだけのこと。蘭はどうするの?降りる?」


まぁまだ隠してるけどね。

蘭は少し困った表情を浮かべて、秀哉をチラチラと見る。そこで何かを決意したのか目をギュッつぶってみせた。


「わ、私もやる。私は秀哉君についていく。」


これは半場告白か、蘭は顔を少し赤く染め上げて言った。実里の恐怖と恥ずかしさを我慢するべく、服をグッと掴んで離さない。