首取り


「はぁ〜。なんで分からないの?いい?実里とは絶対に対峙する。脱出方法なんて確保出来ていないこの状況で、「首取り」がそれをそう易々と許してくれると思ってるの?それに、脱出"出来た"じゃなくて"出来そう"でしょ?そこの改善点なんてあっちはもう踏んでるに決まってるじゃない!!しかも、今私には案があって、それは事前準備が必要なの。準備が出来る時に殺した方がいいに決まってるじゃない!!実里が恵美がいる地下室をマークしてたらどうするの?準備しないで突っ込んで、フリーパスしてくれると思ってるの!?」


「お、落ち着けって愛梨。一旦落ち着け。」


秀哉の手が私の肩へ伸びてくる。その慰め方、その手が嫌で私は強くその手を払った。


「あんた達が普通に現実を見て、どちらが正しいか理解出来たら落ち着いてあげる!!普通に考えてこっちでしょ?なのに何なの!?なんでやりたくないから難しい方へ進むの!?私が一回頭を冷やすんじゃない、あなた達が一回頭を冷やして考えなさい!どっちが正解なのかを!」


防音壁で囲まれている部屋は私の言葉で一瞬で埋め尽くして吸い取っていく。そこに残るのは相変わらずの静寂。誰も一言も話そうとしなかった。


「....殺らなきゃ殺られる。いつもみたいな常識は一切通用しないし、何とかなるじゃダメなのよ?やれる時にやれることをやらないと私達全員皆殺しよ。」