首取り

保管室の臭いは相変わらずで、鼻がねじ落ちそうだったが、その部屋で起きている異変があったのだ。それは保管室の壁に人一人入れるくらいの大きい穴が出来ていて、そこから光が漏れていたのだ。秀哉はゆっくりとその穴から頭を出して左右を見るが、結局誰の姿も確認出来なく、逃げるように戻ってきた。


「誰かが、保管室の壁を壊してきやがった....クソッ!全然気づかなかった....」


咲も風華のお母さんも衝撃を受けて、「嘘...」とポツリと呟く。蘭は目を真っ赤にしてしゃがみこみながら秀哉をじっと見つめていて、今にでも抱きつきそうな弱っている犬みたいな顔をしていた。


「私も気づかなかったけど、いつ入ってきたのかしら?」



「多分この防音壁のせいもあるけど、小百合の話に夢中になりすぎたんだ。」



「そうだとしても、小百合を攻撃したやつは私達の話を聞いて、小百合だけをピンポイントに攻撃した。こんなことは出来るのは実里と...."あの人"だけね。どちらにせよ、あいつらはどんな小さい音でも聞き逃さないってことね。防音壁としても、ここは完璧に安全じゃないって考えた方が正しいわね。」


「あぁ。そうだな。とにかくここはもう敵にバレてるだろうし離れた方が良さそうだ。」


「....そうは言っても秀哉君。一体どこへ行くつもりなの?ここの他なんて、そこらの部屋にしか入んないといけないけど....」