首取り

何か....いい感じ。


「そう言えば自己紹介がまだだったね。私は恵美っていうの。あんたは?」


「あ、愛梨。」


「よし愛梨。一緒に席聞きに行こ?」


そう言うと恵美はスタスタと歩いていく。いきなりのことで、足はついていけなくて、私は何も無いところでこけた。地面に身体がぶつかるのを覚悟に目を閉じるが、別に何も痛みなんてなかった。目をゆっくり開けるとそこには恵美の顔がドアップにあって、一瞬時が止まったように感じた。何故こんなボーッとしないといけないか分からなかった。恵美は私の肩を支えて立たしてくれた。


「案外おっちょこちょいなのね。 さぁ行こ?」


恵美は軽く微笑むと振り返り、足を進めた。だが、私はその場で立ったままだった。
あの時の恵美....綺麗でいい匂いがした。
私はその時、確信した。この出会いは友達としてでは無かったのだった。本でよく読む恋愛だった。
私は、女子の....いや、恵美という一人の人間が好きになってしまった。いわゆる一目惚れというやつだった。

最初にあんな関係になれたから、次第に距離は縮まると錯覚していた。結局恵美とはクラスが違って、話す機会がガクッと下がり、恵美は同じクラスの女子とよく話していて、私なんか通りすがりに挨拶してくれる程度。絶望で一年過ごすことになったが、二年に上がる時には同じクラスになれて、嬉しかった。