首取り

このくらいの恐怖くらい克服しないと...
恵実なんか助けれるはずがない!
負けるな私...負けるな!自分にそういいかけながら進んでいく。

トンネル内はスプレーのイタズラ書きが多少見られた。いかにも幽霊が出そうな感じだ。

歩く音が響き渡る。
今にも私以外の足音が聞こえそうだ...
夜だから当たり前なのだが妙に肌寒く、すぐ傍に幽霊がいると錯覚してキョロキョロと一点しか照らせない弱々しい携帯の光で周囲を警戒していた。

そんなありもしないことに恐怖を感じていたら無事にトンネルを抜けることが出来た。


「...はぁはぁはぁ...大したことなかった」


私は強がって鼻で笑ってやった。
やはりあの動画はただのヤラセらしい。
一人の方が幽霊は出やすいと聞いていたし、恵実もここへ来た。
それでも出ないということはヤラセだな...

そして私はトンネルに背を向け歩いた。

そして歩いてすぐの所に古びた看板があった。


【癒しの場所 彩澄旅館はこの先!】


今の私にとって彩澄旅館は恐怖だけしか感じられない。
何が癒しの場所だ!...
何故か怒りを覚えて看板に軽く蹴って八つ当たりをする。
でもこの看板には「跡」など書いていない。
この看板古そうだし、今は跡地ってことなのかな?それかあまり考えられないがネットの誤りかもしれない。