首取り

さっきの斧を振ったのを見ると、さっきのような、足をかければ二度と立ち上がることが出来ないみたいに弱っている振り方では無かった。多分、いざ攻撃する時のために力を残しているのか結構さっきのやつは様になっていて、秀哉も迂闊には動けない。勿論あとの二人も動けなかった。
小百合ちゃんは三人をギロりと睨み付けるとスッとこちらを向いてくるが、狂気じみた表情ではなく意外にも泣きそうな表情を見せてきた。もしかして、いざとなってもうやりたくなくなったのでは?っと少しながら希望を持ったが、そんなんではなかった。


「ごめ....ごめんなさいごめんなさい。仕方が無いんです....抵抗しないで下さい....ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。」


ごめんなさいと口には言うが、頭を下げることは一切せず決して私達には目を逸らさないまま斧をゆっくりと振り上げる。

愛梨が横で弱々しい声が漏れて、愛梨の頭を胸元へやって覆い被せた。秀哉が飛びかかる準備をバレないようにしていたが、目線が合うと、私はアイコンタクトで飛びかかるのを止めさせた。斧が最大限に上がったのを見て、私は小百合ちゃんが斧を持っている手をジッとみる。
そして手に力が入るのを確認した私は即座に愛梨から身体を離して、横へ思いっ切り押し飛ばした。飛距離こそ無いものの、斧を避けるには充分。愛梨は私に投げ飛ばされて転がるのと、私が紙一重で斧を避けるのはほぼ同時の出来事だった。