首取り

だが、私はあの部屋に入る勇気はとても出なく、バレないことに全てをかけて身体を最大限に縮こませて隠れた。

ガラガラッと戸が開いた。一気に寒気が走り、喉がカラカラになり吐き気が出てくる。
一体誰が来たのだろうか....この状況で一番会いたくないのは源太さんだ。私は水で臭いを落としたはずだし、実里ちゃんには気づかれない。ということは必然と"あの女の人"にも気付かれない。
幸江さんもあるが、源太さん程じゃない。秀哉からの話が本当だとすると一番の経験者は源太さん。となると、当然私達の行動パターンもおおよそ予測がついているはずだし、勘も鋭いはず。しかも幸江さんは拳銃に対して、源太さん猟銃。こんな部屋の中で撃たれたら当然避けることはほぼほぼ不可能に近い。


「ん?なんじゃ?この水は....」


最悪だッ!源太さんだ!もう....もう終わりだ....
絶望の何物でもない。次第に身体が震えはじめて、息が苦しくなる。まだバレてないけど、私の中ではもう諦めがついていて、死が身近に感じる。怖い....怖いよ...こんなにも怖いことなのか....死は....


「水と火を出しっぱなしか....誰か....隠れておるな?出ておいで。すんなり出て来てくれれば苦しませないで殺してやろう。身体のどこかに被弾してもがき苦しみながら死ぬのではなく、頭に一発だけで意識はなくなり、痛みすら感じないまま死ねる方がいいじゃろ?もう、諦めてるのではないか?逆に聞きたいものだ。この状況からどうやって逃げる、あるいは戦うのか。