カバンから護身用の為に持ってきたカッターとバタフライナイフを出した。
...カッターは護身になんかならないよね...

今更もっといい物を持ってくればよかったと後悔しながらカッターは胸ポケットにバタフライナイフはポケットに入れて寺の中に進んだ。

寺の敷地内の奥の方に階段がありそこを登っていくと上の道までいけて、すぐそばに「首無しトンネル」...彩澄トンネルがある。

私は唾を呑み、寺の敷地内の奥へ奥へと進む。

夜なのでとても不気味だし今は冬真っ最中。
雪もすでに降っているがまだ積もってはいない。
たが寒さで歯がカチカチ音を鳴らしている。
スマホ画面で目の前を明るく照らすが周りは真っ暗。何も見えない状態だ。

パキィ...

突然すぐ右手の方向に枝が折れる音がした。
一気に汗が出て呼吸が荒くなる。

まさか...あの女の人!?

しばらく静寂に包まれた。
私はこの場から今すぐにでも逃げ出したかったが、私は頭が真っ白になってその場から動けなかった。

パキィ...

さっきよりも近い!

私は今頃バタフライナイフを音の方に向けた。


「来るなら来なさい!来るなら私はこのナイフであなたを刺す!!」


言葉は立派だが気持ちの準備なんか全然出来ていない。

そして音を出した主が私の目の前にスッと現れた。