だけど、咲はいつも身を削って人助け、自分のことをしているのは滅多に見ない。
心配になってしまう。他人優先しすぎると自分が疎かになり、幸せになんてなれないのだから。
「あの....それだったら火を利用して服を乾かすのはどうかしら?この旅館を見る限り、現代的な部分があんまりないからきっと、火を使って調理とかしてる筈よ。だって松明なんか使ってたじゃない。」
「そうじゃん!!ナイスアイディア!風華ママ」
蘭に称えられて、お母さんは少し照れながら「いえいえ。こんなこと大したことないわよ。」と控え目ながらも言った。
愛梨と咲がホッと胸を撫で下ろすが、俺は良かったような少し残念なような....
そんな事を思いつつ、俺達は周囲を警戒しながら調理場を目指し始めた。移動する時は勿論音は立てず、逆に耳を済ませながら歩いていった。最初の時のような叫び声と嫌な音、そして笑い声が旅館を包み込んでいたことはなく、基本静かだった。
それは二つの絶望があった。一つはもう狩る『首』が少なくなった、あるいは俺達以外が全滅してしまった。だから、気付かれる可能性もグンッと高くなる。二つは他の敵、『首取り』が隠れてるか音を出さずに移動している。スニークの技術は明らかにあっちの方が手練。常人にはまず気付かれないようなものがあるかも知れないし、新たに罠を仕掛ける可能性だってある。
俺はその二つの脅威にビクビクしながらも一歩また一歩と足を進めていく。
そんな中自分の中でモヤモヤしている事があった。何か引っかかる....何か見落としている。そんな疑惑を抱えながら、胸ポケットに閉まってあるもの意識しながら慎重に進んでいく。
心配になってしまう。他人優先しすぎると自分が疎かになり、幸せになんてなれないのだから。
「あの....それだったら火を利用して服を乾かすのはどうかしら?この旅館を見る限り、現代的な部分があんまりないからきっと、火を使って調理とかしてる筈よ。だって松明なんか使ってたじゃない。」
「そうじゃん!!ナイスアイディア!風華ママ」
蘭に称えられて、お母さんは少し照れながら「いえいえ。こんなこと大したことないわよ。」と控え目ながらも言った。
愛梨と咲がホッと胸を撫で下ろすが、俺は良かったような少し残念なような....
そんな事を思いつつ、俺達は周囲を警戒しながら調理場を目指し始めた。移動する時は勿論音は立てず、逆に耳を済ませながら歩いていった。最初の時のような叫び声と嫌な音、そして笑い声が旅館を包み込んでいたことはなく、基本静かだった。
それは二つの絶望があった。一つはもう狩る『首』が少なくなった、あるいは俺達以外が全滅してしまった。だから、気付かれる可能性もグンッと高くなる。二つは他の敵、『首取り』が隠れてるか音を出さずに移動している。スニークの技術は明らかにあっちの方が手練。常人にはまず気付かれないようなものがあるかも知れないし、新たに罠を仕掛ける可能性だってある。
俺はその二つの脅威にビクビクしながらも一歩また一歩と足を進めていく。
そんな中自分の中でモヤモヤしている事があった。何か引っかかる....何か見落としている。そんな疑惑を抱えながら、胸ポケットに閉まってあるもの意識しながら慎重に進んでいく。



