首取り

そう言って俺の股間を蹴り上げ、俺は一瞬死んだと確信する程の痛みが走りその場で倒れてしまう。そこへ咲はしゃがみこみ、俺に小声で


「私の事なんていいから、タオルでも自分の制服でもいいから風華に渡せ。それで距離を縮めるんだよ。」


と言っていた。本来ならここで俺と風華の二人っきりの状況が自然のように作ってくれた咲が神のように感じているが、しゃがみ込んだことによってより胸元が強調されて、俺は目線を逸らしながらも「....うるせぇ」と弱々しく言った。
その後咲は少し微笑んだ後、怒りの声を上げ、鞄をブンブン回しながら去っていった。

そんな咲のアドバイスを聞き入れ、まだ痛みが疼きながらも制服を着させてあげて、タオルを貸してもらうために保健室へ行った。

そんなことがきっかけで、俺と風華は少しは距離が縮まれたし、話す機会が作りやすくなったことを思い出す。

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まぁとにかくだ。あの件があって咲は下着が透けていても見えていなければ問題なしっというやつかと思っていたが、あれは風華が居たから我慢していたのか?
咲は少しこちらをチラッと見るとすぐに目を逸らして考え込む。

やっぱり我慢していたのか....咲は本当にいいやつだ。俺みたいなビビりの恋を応援してくれている。咲は本気で人を愛することが出来る人間だ。