首取り


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以前梅雨の時期に学校でいきなりの雨の中、生徒玄関で傘を畳んでいると風華と咲が傘もささないで走ってきた。なんでも傘は二人とも学校に置いてきてしまったらしいのだ。
その時二人ともビショビショで制服から下着がうっすらと透けていたのだった。
風華は可愛らしい声を出して、ピンク色のブラジャーがついている胸元を手で必死に隠すのに対して、咲はむしろ近づいていって


「おい。チャンスだぞ。ここで抱き締めて愛の告白だ。「寒くない?大丈夫か?俺がお前をいつでも温めてやる。傍にいさせてくれ」ってね!」


自分も下着が透けていることに気付いていないのかズカズカと近づいて肩を叩きながら耳打ちをする。いつもの状態ならまだしも、透けていると妙に意識してしまって、俺は数歩後ずさりをする。


「バッ、バカか!そんな滅茶苦茶なタイミングの告白なんて聞いたこともないぞ!そんなことをしたらもっと距離が離れちゃうし、もう近づけないって!それにお前も!ほら....し、下着透けてるって....」


俺の忠告で咲は自分の胸元を見る。白いブラジャーが薄らと透けているのを見て「あぁ〜」と一言漏らすだけ。それどころか更に接近してきた。


「私のじゃなくて風華のを見ろ風華の!!それともあれか?私のを見て興奮してんのか?女なら何でもいいのか!?この変態野郎!!」