首取り

「ここにいればいずれ誰か来るはずだ」「きっと外では自分がいないことを不思議がって探しているに違いない。隠れていればいずれ来る」っと....ハハハ。誰も来ないと知らずにまぁぬけぬけと甘ったるい考えが出来るものだな。笑えてくるぞ。これだから『首取り』は止められんな!ワハハハ!!...っとこうしてはおれん。実里がまだ暴れとったな....」


そう言うと源太さんはまだ声こそは出なくなったものの、内面は酷い怒りを表しながらも壁と睨めっこを続けていた実里の方へ向かった。


「実里ちゃん実里ちゃん。そんな怖い顔するとせっかくの可愛い顔が台無しじゃぞ?さぁ笑って笑って。笑ってる実里ちゃんはすごいべっぴんさんじゃぞ?」


さっきの幸江さんに向けていた冷徹な口調は空の彼方へ飛んでいったように今ではすごい優しいおじさんに戻っていた。
実里は冷静を少し取り戻していたので、さっきまで周りの声が聞こえていなかったが、ゆっくりと源太さんの方へ向いた。


「でもおじちゃん!!アイツら私に酷いことしたもん!!私に痛いことしたもん!!
実里....見つかっちゃった時....とにかく殺さなきゃって思ったらみんなに見られちゃって....ごめんなさい。」


「いいや、実里ちゃんは悪くないよ。実里ちゃんは演技が上手いから、奴らは完璧に罠にかかっとるぞ?むしろ上出来じゃ!!
それに、可愛い実里ちゃんに向かって痛いことをした悪いヤツらがおるのか....
実里ちゃん。ワシらに痛いことした奴らはどうすればいいんだっけかな?」