首取り

秀哉は実里に背中を向けて一気に走り出す。すると実里はそれと同時に猛スピードで秀哉を追いかけ始めた。

実里が私達の中を新幹線みたいに抜けていき、一気に冷や汗が出てくる。
周りを見ても皆秀哉のした行動が理解出来ずにいた。

本当に何を考えているの?そんなことしたら危ないのは分かってるだろうに....
もしかして囮?あの野郎じゃあ充分ありえる!!

しばらく呆然としていると秀哉と実里が走っていった廊下の先で銃声が一発鳴り響く。その銃声は私達に衝撃が走り、その後は音は一切聞こえなくなった。その銃声が頭の中でずっとループをしていて、身体が硬直している。
蘭は手を口に抑えながら涙をボロボロと流しながら力なく座り込む。おばちゃんも手で口を抑え、身を震わせている。愛梨はそのまま棒立ちだった。



「....しゅ........秀哉ぁぁぁぁぁぁ!!!!」


私は敵に発見されるという恐れなんて、もうそこら辺に置いてきた。
私はすぐにでも秀哉の声が聞きたい。いつもみたいに、無事なことを確認したい。その一心で放った声は虚しくも段々弱々しく消えていくだけだった。

その後叫び声が廊下奥で聞こえて、私は愕然とする。