首取り


「ああ!クソッ!しょうがない!乗れ!!蘭!!!」


秀哉は私の手を離してしゃがみこみ、おんぶの体勢を蘭の前でして見せた。
蘭は流石にこの状況だと下心は考えていなく、秀哉の背中を唯一の助け舟と照らし合わせてるみたいに、必死こいて背中に捕まった。

秀哉は蘭の体重なんて気にもとめない感じでスクッと立ち上がりその場から逃げ去り、その後を追いかけるように私も逃げた。

部屋を出ると上の方に穴が空いていた。丁度人一人が入れるくらいの。
私は小さく舌打ちをして、そんな隠し通路の入り口のことを気にもせず走っている秀哉の後を追った。
すぐ近くにはおばちゃんと愛梨が周りを警戒しながら待っていてくれた。
その時、私はさっきの状況じゃあしょうがないけど幸江さんとおじさんと小百合ちゃんのことをすっかり忘れていた。


「この先はあんまりオススメしないわよ。銃声が何発も聞こえる。音の大きさ的に女将さんの方ね。」


「クソッ!どうする!?この廊下はまだしばらく一本道だぞ!?」


「取り敢えず何処かに身を潜めましょ?ここじゃあ危ないわ。」


「いや。部屋に入ってもさっきみたいに何処からか侵入してくるでしょう。今みたいに誰も死んでないのは奇跡です。」