首取り

すんごい必死な蘭。こんな状況下に置かれているのに恋を最優先するその揺るがない精神に一周回って感心してしまう。
しかも蘭は気付いているかどうか知らないけど『皆』とは言っていない。あくまで秀哉と一体一で話しているから今の蘭には秀哉しか見えてないのだろう。

こんな過剰反応をさらけ出してる姿を見ると、もう秀哉にバラしたりしてるようなものだ。


「よし!そうだな。目的は皆ほぼ一緒なわけだし、ここは団結して皆で恵美と風華を助け出そう。だが、忘れてはいけないのは脱出の方法だ。逃げ道っていうのは不利な状況こそ確保してかないとどんどん呑まれていってしまうからな....」


秀哉は蘭のさっきの反応を気にもせずいつものリーダーシップをとってくれた。
なんで察せないのかと疑問にも思うが、風華の気持ちも察せない鈍感野郎だったと後々気付いた。


「なぁ。秀哉....」


私が秀哉を呼びかけるとその呼び方に不満を持ったのだろう。秀哉の後ろから蘭が物凄い形相でこちらを睨み付けてくる。

面倒臭いなぁ。このアマ。

そんな愚痴を心に吐き捨てながら少し咳払いをして話を続ける。


「えっと....恵美と風華を探す時はさ、皆で全員で探索するのか?いや、するの?それとも手分けしてやる?」