首取り


「!!あのッ馬鹿ッ!」


秀哉はヤバそうにその馬鹿辰吾の後を追った。いきなりの事で私も何故か勢いに身を任せてその後を追い、後ろで慌てて追いかけてくるおばちゃんの存在を感じた。正面の門にはさっきの大学生達と秀哉と辰吾以外に四人くらいの女の人がいて必死に大きい門をこじ開けようとしていた。

あの門....来る時は開いていたのに....

大学生達と私達は門に体当たりをする形で門を必死に押したがビクともしない。
皆力をバラバラに入れているからだ。
その事にいち早く気づいた誰かは分からないが、「オラッ!一斉に行くぞ!いっせぇのでッ!!」と掛け声を入れてくれて、ようやくバラバラだった十四名の力が一つになり、門が徐々に開いていった。

開いていったことに「おお!」っと歓喜の声が聞こえ、一人が言っていた掛け声が次第に皆で一緒に言っていた。かくゆう私も気持ちが乗って、精一杯声を出しながら門を押す。
この時私達は実里や"あの女の人"が来るということを考えもせずひたすら押し続けた。

門が徐々に開いていくと今更ながらハッとして後ろを向くが、実里や"あの女の人"の気配や姿もなく、皆の歓喜の声が収まらなかった。辰吾も凄く嬉しそうな顔をしていた。皆が嬉しそうな顔をしているのを見て、私はまだここに残らないといけないのだが、釣られてつい笑みが零れてしまった。