首取り

廊下は既に血の臭いで充満していて、口に手を当てて何とか吐き気を堪えた。
受け付けの所まで行くには美津ちゃんと惠津子さんを通り過ぎないと行けないのが、辛く苦しく感じる。さっきまであんなに表情を見せてくれて、幸せそうだったのに今では無表情のただの肉塊になってしまったのだと心の端でそう思ってしまった自分がいた。

美津ちゃんと惠津子さんを通り過ぎた後は、特に何もなく順調に正面の門へ向かっていった。

あともう少し....もう少しで着く。

このまま私も逃げ出したかったが、風華を助けなければならない。だから今は正面の門へ向かうより一刻も早く風華を探したかったのだが、辰吾を巻き込んだのも事実。落とし前は付けないと。

そう思っていると後ろから小さい声でおばちゃんが話しかけてきた。


「ねぇ咲ちゃん。実里ちゃんと"あの女の人"とかどう思う?」


「へ?どう思うって言われても....イカれてるって思うくらいですけど....」


「咲ちゃんはさ、本当にその二人だけだと思う?」


「....どういう事ですか?」


あまり会話はしない方が良いのだが、おばちゃんの言いたい事がよく分からずついつい会話が進んでしまう。
しばらく自分の中で考え込み、おばちゃんの言いたい事が頭の中でパッと浮かび、恐る恐る聞いてみた。