首取り

辰吾は一刻も早くこの地獄と化した旅館から抜けたいと思っているのだろう、気が付くと辰吾は生きる為に携帯を手に取り、警察へ連絡しようと「警察....警察に...」っとブツブツ呟きながら操作するものの途中でピタリと止まり、難しい顔をした。どうやら番号が分からなく、「110....119?どっちだっけ?あれ?0が先だっけ?」っと高校生になってまで迷う事ではない筈なのだが、辰吾は本当に分からなそうにしていたので流石にイラッとして、強引に辰吾の携帯を取り上げ勝手に警察へ電話した。
今こんな状況で警察を呼ばない理由はない。秀哉もおばちゃんも黙って見ていた。
数回のコールの後電話は繋がり、繋がった時少し安心になった。


「あの!助けて下さい!人が殺されました!早くしないと犠牲者が増えちゃいます!」


かかった瞬間にすぐ言ったので警察の応答と少し被ってしまったが構わず伝えた。


「お、落ち着いて下さい。今どこにいますか?」


電話口の口調と声の高さで大体二十歳くらいの男性の人と感じ取れた。


「えっと....『彩澄旅館』です。あっ!いや。『彩澄旅館跡』です。どのくらいでこれますか!?」


「はい。『彩澄旅館跡』ね。犯人の特徴を言ってもらえるかな?」


「えっと....」


私は戸惑った。このまま真実を言ったら警察は信じてここへ来てくれるのだろうか。可愛らしい女の子が次々と道具無しで人を惨殺していくって言えば結果は目に見えていた。