首取り

....ごめんね咲ちゃん。高校生の咲ちゃんにこんなこと言っちゃって。私はただ....私みたいな安易な気持ちで結婚して、しっかり物事が出来ない風にはなって欲しくなくて....」


「惠津子さんは頑張ってますよ!!さっきだって優人君をちゃんと叱って上げてたじゃないですか。惠津子さんは悪いことは悪いって注意がしっかり出来てるし、子供達は元気に育ってます。それは母親である惠津子さんが居たからこそなんです!!!!だから....そんなに自分を悪い方向へ持ってかせて責めるのはやめて下さい....」


一人苦しんでる惠津子さんをほっとくことが出来ずについつい口から言葉が出てくる。高校生の子供が大人に図々しく意見を垂れるのは自分でも引っかかるものだと分かっていたが、喋らずには居られなかった。
惠津子さんは少しびっくりした表情を見せた後微笑みながら「ありがとう」と一言くれた。
最初何であんなことで何も言えなかったのか、そんな自分を殴ってやりたいという気持ちに襲われた。
こんな時に惠津子さんを支えていない信二さんのことを聞いたが、あの人は今長女を探しに回っていたようだった。
私は少し息を整えた後に、さっきから気になっていた事を確認するかのように質問した。


「惠津子さん。さっき長女の姿が見えないって言ってましたけど、その長女さんはどうやってこの旅館に誘ってきたんです?」