首取り

美津ちゃんはいかにも可愛らしい口調で悪口を吐いた後走って廊下の奥に消えていき、その後ろを新幹線のオモチャを大事に持ちながら追いかけていく優人くんの姿も徐々に消えていった。

何が起こったのか分からないと思っていたら惠津子さんは勢いよく玄関から出てきて二人が消えた廊下の奥に向かって大声で呼びかけた


「二人とも戻りなさい!!戻らなかったら部屋の鍵閉めちゃうよ!?いいの!?もう入れなくなるよ!!!!................はぁ〜」


惠津子さんはその場で肩を落とした。
母親とかまだそういうのは深く考えたことは無かったが、やっぱり子供とか出来て幸せな分こういう所でストレス抱える人とか多いのかな?だったら私は結婚向いてないかもしれないな〜
......そもそも相手....見つかるかな........?

自分で自分を陥れて何が楽しいのかと自分にツッコミを入れたのと同時に疲れ果てた惠津子さんと丁度目が合って、惠津子さんは「....見てました?....」と恥ずかしそうに小声で聞いてきた。ここは嘘でもいいから「見てません」って言った方がいいかもしれないけど私はいきなりの事で頭が回らなく正直に頭を縦に振った。
惠津子さんは私を見るなり顔をトマトみたいに真っ赤に染めて部屋に戻ろうとした。


「ッ!!ちょ....ちょっと待って下さい!」


戻る寸前に私は駆け寄りながら声を掛けた。惠津子さんは玄関の戸を閉める直前だったが、半分身体を出してくれた。