「どうじゃろうな....歳のせいか忘れちまったよ。ただ若い時に凄いここで叱られたのは覚えてるぞ。今も外にいるあの犬達はこの露天風呂の覗きだとか泥棒防止のために配置させてあるのだが、な〜ぜかオンオフが凄くてな。人間を見たらすぐ吠えるようにしつけてあるのだが、眠くなったら見ても見ぬ振りをするんじゃよ。ワシはどうにか出来んかと思って近づいて言ったらちょうどスイッチがオンの状態でな。吠えられた上に噛まれまくって思わず蹴り倒してしもうたんじゃよ。そしたら近くにいた女将がまるで鬼のように怒鳴り始めてのぉ。ボケ老人になってるワシでも今でも鮮明に覚えちょるわい。」
「ハッ....ハハハッ....そうですか....」
このおじさんは最初はいい印象があったのだが話を聞いていると私が苦手のおじさんだったことが発覚した。
基本私はせっかちな性格でこんなに話が長い人は嫌いなんだよな〜。でもこのおじさんは話以外は完璧だから何とも言えないよな〜
「それでな女将言うたらな、この旅館の前に働いて....」
まだ続くんかい!
「あ、あの!最近の客で髪の長い綺麗な女性って見かけませんでした?」
私はもう長話を聞くメンタルは残ってなく、強引に話をとぎらせた。
おじさんは少しムッとするがすぐ最近の客を思い出そうとしていた。
「髪の長い....ベッピンさん....そんなん....いたかな〜....」



