「もう!....何でこんなに廊下が長いのよ....」


私は今露天風呂の入り口のイスに寄りかかって愚痴を小さく吐いた。
1階建てなのにこの敷地の広さ。廊下が長くなるのは当たり前だとは思うけどこの長さはちと長すぎるんじゃないの!?
私は普通に歩き疲れていて、もうこのまま露天風呂に浸かろうと心の中で決めた。
そして問題の露天風呂の入り口にいる人とは運が悪いことにまさかの女の子の方ではなくもう一人の従業員だったのだ。

目が細く、ちょこんと入り口の所に座っている優しそうなおじさんだった。
こちらと目が合うなりニコッと笑ってお辞儀をしてくれる親しみやすそうなおじさんだ。
普通に世間話でもしたい所だがここで私の悪い部分が出てくる。

このおじさん....黒か?白か?....
見た感じ何も知らなそうだから白っぽいけど、裏手をとって黒みたい....

この思考ではいつまでたっても結論には至らない。こんなのは話すのが一番と判断した私はすぐ様おじさんの方へ向かった。


「何か御用かい?お嬢さん。」


おじさんは優しく問いかけてくれた。正直そっちから話しかけてもらってとても楽だ。白であることを願った。


「おじさんってどのくらいここにいるの?」