後ろの女の人に気付いた途端
女の人が顔にシワを寄せて鬼の形相で恵実に襲いかかった。

画面が荒ぶった。おそらく恵実のスマホが投げ飛んだだろう


「恵実!!」


私は出来る限りの大きな声で名前を呼んだ。
着信画面は部屋の窓を下から映す。
部屋の音は叫び声と笑い声でいっぱいになっていた。


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


「あははははははははははははははは」


恵実の叫び声と女の人らしき笑い声。

私はパニックになった。どうすればいいのか分からない。


「恵実!!恵実!!恵実ぃぃぃぃ!!」


私は名前をひたすら呼ぶことしか出来なかった。
恵実!恵実!


「いや!私に触れないで!」


抑えられてるのかジタバタしてる音が聞こえる。


「ぎゃあああああああああああ」


「あははははははははははは」


恵実の叫び声が変わった。
その瞬間窓に赤い液体が飛びついた。
そして何かが潰れる音がし始めた


グチャッ!グチャッ!グチャッ!


ヤバイ!これは本当にヤバイ!

潰れる音がする度に笑い声は増していき、赤い液体が窓につく
その内に窓が赤く染まって、赤いカーテンが掛かったように窓からの外の景色は遮断された。