「お...おい。さ」
「実里ちゃん!ここの旅館ってどのくらいの人が働いてるの?」
私は秀哉の声をかき消すように言った。私の実里ちゃんへの警戒心はMAX。今この状況でどんな関わりをしているか分からないが、警戒心を抱いている以上。実里ちゃんに変なことは悟られてはいけない。
実里ちゃんは普通にこちらに向いた。
いくら音で生活してるとはいえ、いきなり声を掛けられたら多少ビクッとするくらいあるんじゃないのか?
やはり予想通りに耳打ちをしていたに違いない。
「えっと。私も含めて四人ですが....」
「あっ。そうですか....」
「おいおい咲〜。いきなり大声で何を言うかと思えば。ちょっとは自重しろよ〜」
てめぇに言われたくねぇんだよ!!!
そのデカイ体をプレス機に掛けて平べったくしてやろうか!!!!?
辰吾への怒りが頂点に達する所で何とか踏みとどまることができたが、とどめただけでその怒りはまだ溜まっていた。
「いやぁ〜ごめんね実里ちゃん。咲が変なこと言い出してな」
「いえいえ。大丈夫ですよ」
プチンッ。
頭の中で何かが切れた音がした。
野郎....ぶち殺す!!!!
袖をまくり、指の骨を鳴らしながら行こうとする所を秀哉に止められた。
秀哉ごと殴ろうかと思ったが、今はするべきことがあった。



