首取り

惠津子さんはとても丁寧に紹介をしてくれた。後ろにいた信二さんもニコッとしながら軽く頭を下げた。優人君は信二さんの足に隠れ右手に持ってる新幹線のオモチャを少し気にしながらじっと見てくる。


「いえいえ!こちらこそよろしくお願いします。私は山本 紀栄といいます。こちらは咲ちゃんで秀哉君。そして辰吾君といいます。」


幸江さんの話が一区切り付いたのだろうかすぐこっちに対応してくれた。幸江さんはニコニコしながら私達を見ていた。



「今日は本当にお客様が多くお目にかかれて忙しくなりますがとても嬉しゅうございます。じゃあ受け付けの紙はそちらのご家族に回して頂いて、早速風華様の部屋に案内します。実里!仕事よ!!」


幸江さんが一声呼びかけると受け付け室の隣の部屋の戸がゆっくり開いた。そこには薄緑の浴衣を着たショートヘアーの女の子が出てきた。見た目と身長から見ると中学二・三年のようだ。お人形さんみたいな大きな目をしていてとても可愛らしい顔つきだった。ただ彼女は部屋から出ると目を瞑りながらこちらに向かってきた。

幸江さんは「そこでいいわよ」と合図をすると実里ちゃんはスッとその場で止まった。


「紹介します。娘の実里といいます。皆さんお気づきかとは思いますが、娘は目が不自由なものなのでそこの所はご了承くださると有難いです。実里、ご挨拶を」