首取り

幸江さんとおばちゃんが大人のやりとりをしている間に私達はさっさと受付の紙に名前を記入していった。


「....見た感じ怪しい所なんてないんだよな〜」


「「あの女の人」っていうのは旅館の人達には関係ないかもな。そもそもそんなやついないのかも分からんしな。」


秀哉は冷静に状況を理解していく。本当に秀哉は凄いやつだ。風華が惚れるのも訳ない。勉強が出来てスポーツ万能。おまけにこんな時にも心強い。だけどそんな秀哉の欠点は誰にも優しい事なんだよな....
さっきも私を助けてくれたけど、風華や他の女子が見てたら少なからず嫉妬していただろうし....
秀哉のことを改めて再確認すればする程秀哉の背中は大きく、そして頼りになっていく存在だった。



「わーい!到着ぅ〜!!!」


背後から声が聞こえて反射的に振り向こうとするが、その声の主が私の背中を押して前のめりになって倒れそうになった。


「え?おわっ!」


体勢を戻そうとするがそれも虚しく、そのまま体が前に倒れていく。
だが、倒れる寸前で秀哉が私の体を抱きしめるかのように止めてくれた。


「おいおい。大丈夫かよ?」


秀哉は微笑みながら優しい声でそういった。そんな秀哉を少し見とれてしまった自分がいた

いや。大丈夫だけど....顔近ッ!!