首取り

そう言って少し慌てながら、女将さんは床に正座をして一礼してた。



「ようこそ。「彩澄旅館」へ。私はここで女将をやらさせてもらってます。鈴木 幸江といいます。今回は四名様で宜しいでしょうか?」



「いいえ。今日はこちらに泊まってる娘に会いにきただけなんで....」



「あっ。そうですか。じゃあそのお客様の娘様のお名前をお伺いしても宜しいでしょうか?」



「ええ。山本 風華っていいます。」



幸江さんの動きが一瞬止まった。顔もそのままの状態に硬直し、一瞬世界が止まったのかと思えた。それも名前を聞いた時だ。私が探偵ドラマの見すぎなんだろうか、私の直感が言っていた。幸江さんは何かあるっと。
幸江さんはそれからゆっくりとニコッと笑った。



「ええ。風華様ですね。それなら一応こちらの受付の紙に名前をお願いします。でも安心して下さい。泊まるということが決まってからお金は頂きますので。」



「本当ですか!ありがとうございます。助かります。」



「いえいえ。当然のことをしたまでです。それじゃあ早速受付の紙にお名前を記入していってください。」


「はい。えっと....はい。じゃあ咲ちゃん回していってね。それよりもここの旅館綺麗ですね。ネットだと何故か「彩澄旅館跡」って表示されてるものだから失礼ながらボロボロだと思っていましたが....驚きましたわ。」



「本当ですか!?ありがとうございます。私はネットだとかあまり見ないものなのですっかり気づきませんでしたわ。何だかんだ言ってここの旅館は創業百三十五年何ですが、どうもお客様が来ないんです....」