辰吾には前々からよく分からない所があって、たまにぎこちなく接して来るところとか、他の奴らとは目を合わせて話せるのに私の時はたまにしか合わせてこない。本当に不思議な奴だな。
私は思わず首を傾げた。


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「はぁ!?本当かよその話!それなら早く警察に....」



「ばっ!やめろって!もし「あの女の人」がいたとしたらどうすんだよ!」


秀哉がすんでのところで止めてくれたから良かったが、やっぱり予想通りだった。辰吾は分かりやすいのか分かりずらいのか一体どっちなのか....


「それよりかさ。何で俺だけそのこと教えて貰えなかったんだよ。」


「それはさっきみたいに警察に速攻連絡しようとしたりとかしそうだったか....」


「だとしてもよぉ!それはさっきみたいに止めてくれれば済んだ問題だったんじゃねぇのかよ!?」


「ごめんね....辰吾君....ごめんなさい....」



珍しく辰吾は怒ったような口調で言ってきた。おばちゃんが必死に謝罪をして、辰吾は少し大人しくなったが、内に怒りを覚えているように見えた。きっと仲間外れにされたことが気に食わなかったのだろう。



「ごめん!辰吾!私は辰吾がもしものことがあった時に助けてくれると思って余計なことは言わなくていいと思ったの。辰吾すぐボロが出るから....だけどこれは私の中の偏見でしか無かった。本当にごめん!!」