真田は質問なんかをするために職員室に赴いたりしてるみたいだから、その過程で他の子にはない信頼が生まれたのかもしれないなぁ。

……だとしたら、私には縁遠い信頼だな。あはは。


真田とサトタツは、チャイムが鳴るギリギリまで机の上の何かを覗き込んでは言葉を交わしていた。




部活前、帰宅する生徒に紛れて靴箱を開けた。


「……!」


ローファーの上に白い封筒が置かれているのを確認し、無意識のうちに口角が上がる。

誰も見ていないと知りつつも、誰にも見られないように努めて封筒を回収した。


今すぐ読みたいけど、部活が始まっちゃうからどこかに移動して読む時間はないし……。

仕方ない、部室に向かいながら読もう。


誰かに見られる危険性を否定することはできないけど、きっと大丈夫だ。

至近距離じゃなかったら手紙だなんてわかんないし、近くにいるならきっと声を掛けてくる。

声を掛けられたらとっさに隠そう。きっと根掘り葉掘り聞いてきたりはしないはず。