晴れ渡る空の下で、君のために風となる。

「もう初詣行った?」


今日は1月3日。初詣にはまだ行ってない。

2日前、近所に住むおじいちゃんの家に行った際、一緒に行かないかと帰省していた従姉妹に誘われた。けど、人に揉まれるのが億劫で行かなかったんだよね。

かぶりを振ると、康介がパチンと指を鳴らした。これ、私出来ない。


「ランニングがてら、初詣行こうぜ」

「お賽銭ポケットに突っ込んで?」

「そう」

「悪くないね」


今日は1月3日。参拝客も落ち着いてきた頃だろう。

ジャージはコートやダウンを着た参拝客の中ではどうしても目立つだろうけど、ランニングのついでなら仕方ないよね。


「着替えるから外で待ってて」

「リビング行ってちづママと喋っとくわ」

「わかった」


康介が部屋を出て行ったのを確認し、ベッドの下の引き出しから取り出したジャージに着替えた。




近くを流れる川の河川敷を並んで走る。

曇天ということもあり気温はかなり低いけど、走っているとあまり気にならないから不思議。