晴れ渡る空の下で、君のために風となる。

読書とはまた別の目標が達成出来たら、ご褒美として食べようかな。

登坂さんは食べ物だったら何が好きですか?


俺からは、これが年内最後の手紙になると思います。

明日から一段と寒くなるそうなので、温かくして過ごしてね。

それでは、良いお年を】






丁度一節を読み終えたので、次の節の始まりのページにしおりを挟み込んだ。

それから、体を起こしてベッドの上に座る。


「友達に勧めてもらったんだよ。面白いから是非読んでみてって」

「ふーん」


興味があるのかないのかよくわからない返事をして、康介がつかつかと部屋の中に入ってくる。

この男は、仮にも女である私の部屋に立ち入ることに対して、何の躊躇いも見せない。


いや、いいんだけどね。今更恥じらわれても気持ち悪いだけだし。

でも……他の女の子の部屋ならどうなんだろう?