手紙を鞄に入れながら、マフラーに顔を埋めて大きく笑うトモちゃんに歩み寄る。

並んで歩き、グランドに足を踏み入れた瞬間、冷たい風が容赦なく肌を突き刺した。

けれど、見上げた空には雲ひとつない。


「よし、今日も頑張りますか!」


自らを奮い立たせるべく張り上げた声は、冬独特の澄んだベールをまとったグランドに響き渡った。