晴れ渡る空の下で、君のために風となる。

その様子はやっぱりいつも通りの真田で、私はついさっきの記憶を上書きした。

覗き込んだ顔が赤く染まっていたように見えたのは気のせいだったんだ、と。




テスト全体の結果は可もなく不可もなく、といったところ。

一番点数が良かったのは、一夜漬けで出来得る限り知識を詰め込んだ日本史。

英語表現は欠点だったけど、追試にはならなかった。


その結果を提げて康介の教室に行くと、案の定机に項垂れる彼の姿があった。

今回の結果は、10教科中5教科が欠点で、見事に5教科全て追試に引っかかったらしい。

幸い、7欠を塗り替える事態にはならなかった。




次の日から始まった補講、追試期間。

きっと今頃、幼なじみくんは世界史の補講を受けているに違いない。

追試のない生徒は家でぐうたらすることが出来るこの期間も、部活があるので毎日登校する。