晴れ渡る空の下で、君のために風となる。

変わらず口角を上げたままのサトタツの手からテストをぶん取って、点数を確認する。


「…………」


な、なんというか……。


「お、面白味がない……」

「ぶはっ。自分で言ってちゃ世話ねーな」


サトタツのものに加え、教室のあちこちから笑い声が聞こえてくる。

仲のいいクラスだからいいものの……そうじゃなかったらつらいよ、この状況!


「つっ、次! 次は頑張るからっ」

「おう、励めよ。前回も同じセリフ聞いたような気がするけどな」


えぇ、前回も同じセリフ言いましたとも。そして今回の結果がコレですよ。

むしろ、毎回ギリギリでも欠点を取らない辺り、すごくない?


と、自席に戻るついでに真田に言ったらジト目で見られた。

何馬鹿なこと言ってんの、という溜め息混じりの言葉と共に。