晴れ渡る空の下で、君のために風となる。

いや、ゴメンナサイ、嘘ついた。

前回の平均点なんて覚えてません。


「トップは92点で、真田だ。よく頑張ったな!」


サトタツの発表に、感嘆の声と拍手があちこちで上がる。

当の真田は、なんで言うのとでも言いたげな苦い顔をしてるけど。


真田、すごい。

前回も、その前も一位だった! それはしっかり覚えてる!


「じゃあ出席番号順に返して行くから、取りに来いよー」


サトタツに呼ばれ、出席番号1番の相沢がテストを取りに行き、その後池田っち、宇野と続く。

点数の書かれた答案を確認して安堵の表情を見せたり、落胆の色を浮かべたり。

自分がどちらかは考えるまでもないので、ただ順番が来るのを待つ。


「小山ー」

「はーい」

「あれ、採点ミスったかな。小山がこんな点数取るなんて」

「うるせ、今回は真面目に頑張ったんだっつーの」