晴れ渡る空の下で、君のために風となる。

誰よりも速くとか綺麗なフォームでとか、そんなことを二の次にして、ただ走ることを楽しむんだ。いつかの君がそうしたように。


そんな私の姿を、あの頃と同じように君もどこかで見ていてくれているのかな。そうだといいな。

君の力になれるのなら、私は何度だって。




晴れ渡る空の下で、君のために風となる。




-fin-









【リョータへ。


返事を書くのが遅くなってしまってごめんなさい。

あれから10年が経ち、ようやくリョータがいない事実と真っ向から向き合う覚悟が出来たので、この手紙を書いています。

だから、今更だとは思うかもしれないけど……自分でも思うけど、私の想いを聞いてください。


あの頃の私はずっと燻っていて、見ている世界は灰色で、ずっともがいていた。

そんな私の元に、ある日突然手紙が届きました。

初めはびっくりして、イタズラかなとも思ったんだけど、そこに宿された温かさとか優しさに、私はどんどん惹かれていったんだ。


リョータは私に力を貰ったと言ったけど、それは私のほう。

リョータの目に、私が壁に立ち向かっていっているように見えたのなら、それは他でもない君のおかげでした。