晴れ渡る空の下で、君のために風となる。

でも、それより、純粋に走ることが好きなんです。

生き甲斐だって言っても、過言じゃありません。なんて、生意気だとか大袈裟だって笑われるかもしれませんけど(笑)”】──


喉の奥に、抓まれたような痛みが走った。

記事の上にぽたりと涙が落ちて、インクを滲ませる。


「読むんじゃ……なかった……っ」


中学生の頃からリョータはずっとリョータで、彼の陸上への想いが容赦なく私の胸に突き刺さった。

わかるからつらいんだ。ここに記されたリョータの陸上への想いが。

わかってしまいそうになるから揺らぐんだ。命を懸けてでも、もう一度走ることを望むリョータの気持ちが。


「私もリョータも、救いようのない陸上バカだなぁ……」


神様仏様誰か様、ごめんなさい。私は今、決して正当化出来ないであろう道を選ぼうとしています。

きっと、誰が聞いても怒るでしょう。


それでも、知ってしまったからもう目を背けられない。

私の気持ちとか周りの人の想いとか。色んなことを並べて吟味した末に、一番大切にしたいと思ったこと。


それは、他でもないリョータの心からの願いだった。




翌朝、まだ陽も登りきらないうちに病院に忍び込んだ。