晴れ渡る空の下で、君のために風となる。

小さな棘の刺さったような違和感は、帰宅後、本棚からリョータの載った陸上雑誌を開くと明確になった。


紙面で弾ける彼は、私もよく知る爽やかで優しい笑みを惜しみなくカメラに向けている。

それに比べて、今日の表情はなんてぎこちなかったのか。


「…………」


そういえば、インタビュー記事に目を通したことはなかったな……。

紙面に視線を落とすと、太字で書かれた字が目に飛び込んでくる。


【“和泉くんにとって、陸上とはどんな存在ですか”】

インタビューイーによる質問のあとに、リョータの言葉が続いている。


「“僕にとって、陸上は”──」


──【“僕にとって、陸上は何にも代えがたい宝物です。

昔から走ることは好きでしたが、ただ走るのと競技とではそこに含まれる熱量も努力量も全然違う。

僕は色んなことに興味を持ってしまう人間なので、小学校の頃は遊び感覚で色んなスポーツをかじってました。

だけど、中学で陸上部に入って本気で向き合って、初めて一つのことに熱中したんです。

もっと速く走りたいとか綺麗なフォームを追求したいとか、もちろんそんなことを考えたりもします。