晴れ渡る空の下で、君のために風となる。

リョータは穏やかな表情のまま、真っ直ぐに私を見据えている。


「仕方ないって割り切ったつもりで、本当は諦め切れてなかったんだ」

「リョータ……」

「まだ……手も足も動く。自由ではないかもしれないけど。まだ自分の足で立つことのできる今が、最後のチャンスなんだ」


彼の目は揺るぎなく。どこまでも澄んでいて、あまりに力強く、吸い込まれてしまいそうになる。

それでも、冷静になって、なけなしの理性を奮い起こさせた。


「リョータの気持ちはわかった。……でも、やっぱり私は、いいよって言ってあげられない」

「…………」

「リョータの体調が悪くなるのを目の前で見てきたのに……更に悪化するようなことに、手なんて貸せるはずないよ……っ」


両手で包んだリョータの手は、ちゃんと温かい。リョータが確かにここにいるという証だ。

ずっと手放したくない。叶うことなら、宝箱に入れて失くさないように頑丈な鍵をかけておきたい。


「登坂さん」

「ダメったらダメなんだってばっ」