晴れ渡る空の下で、君のために風となる。

「……っ」


予想が、確信となって現れた。

衝撃が思いの外小さいのは、リョータの気持ちが理解出来てしまうからだ。でも。


「ダメだよ……」


ゴーサインなんて出せるはずがない。

こんなにも衰弱したリョータに、手伝うよなんて絶対言えない。


「……頼むよ」

「ダメだってば。脱獄って、病院から抜け出すってことでしょう? そんなの、絶対に怒られるよ」

「怒られるのは登坂さんじゃなくて俺だから、大丈夫だよ」

「そういう問題じゃないの!」


病室だというのに、つい声を荒げてしまった。

その声のボリュームに、自分が一番びっくりしている。


「リョータは今、歩くこともままならなくて……っ」

「だからだよ」

「……え?」

「これから、もっと出来ないことが増えていく。自分で起き上がることも、ご飯を食べることも難しくなる」

「そんなこと……っ」


反駁したい気持ちが沸き上がるけど、その先は言えなかった。

無責任に否定することの重さを感じたために。