でも、それ以上に私はあんたをわかってやれない。

そもそも、痛みを経験していない私が理解してあげよう、なんて思い上がりでしかなかったんだ。


「……そうだね、怪我をしてない私にはわかんないよね」

「…………」

「でも、知ってるよ。あんたがどれだけサッカーを好きか。あんたがどれだけ、サッカーに懸けてきたか……。それはわかってるつもりだよ……っ」


ダメだな、私。

泣かないって決めてたのになぁ。

涙が、康介の姿を隠しちゃうよ。


「一緒に頑張ろうよ。どんなに苦しくても、走り続けようよ。そしたら、痛みを知ったあんたにしかできないプレーが見えてくるんじゃないかなぁ……」


最後は、我慢できずに涙で震えた。


リョータがくれた言葉は、傷ついた心を癒してくれるだろうか。

私は、彼にとってこの言葉が慈悲となることを祈るほかない。