晴れ渡る空の下で、君のために風となる。

思い立ったが吉日。明日から、使える脈を駆使しまくってリョータを探し出そう。

それから、絶対に伝えるんだ。

今までの感謝と、これからの私達のことを。




翌日、昨晩の土砂降りが嘘のように晴れた。

放課後までにグランドが練習できる程度に乾いているといいなぁと思いつつ、登校する。

やっぱり手紙は届いてなかったけど、それくらいじゃもうへこたれない。

気合を入れるべく両手で頬をぺちぺち叩いて、教室へ向かった。


「てことで、死に物狂いでリョータを探します」


朝、登校してきた真田に決意を表明する。

キャリーを背負ったままの真田は面食らった様子でそれを聞き、すぐに表情を和らげた。


「いいじゃん。頑張んなよ」


真田の後押しを得られた。

それが更に、行動する私の糧になった。




その日の休み時間は、学校を駆け回った。

リョータと遂に対面することになるかもしれない。そのことに対する緊張や不安は、彼を探し出すという目的に対する勢いで隅に追いやられていた。

文通が始まったのは去年の冬だから、探すのは主に2年生と同期である3年生。