晴れ渡る空の下で、君のために風となる。

……晴れるよね、きっと。

分厚い雲がかかっていた私の心だって、こんなにも晴れやかになったんだから。


ダメだったらその時。真田に話を聞いてもらって、思う存分吐き出せばいいんだ。

例え別の行き止まりに辿り着いたとしても、今の行き止まりにいるよりずっといい。


「ありがと、康介。あんたに元気づけてもらうの、これで最後にする。あんたのお節介が必要なくなるように……やれるだけ、やってみる」


康介の目を真摯に見つめて言うと、彼は満足げに頷いた。




家に帰って、今自分が出来ることを考えた。

手紙を新たに書く? 靴箱の前で待ち伏せしてみる?

色んな案を挙げては打ち消し、結果一つの結論に達した。


幾度となく手紙のやり取りをしてきたけど、私はリョータのことをほとんど知らない。

手掛かりは、リョータって名前だけ。

だったら、手当たり次第に学校中の“リョータ”を当たっていけばいいんだ。

“俺がどこの誰かは明かせない”って言ってたけど、そんなこともう知るか。突然音信不通になるほうが悪い。