晴れ渡る空の下で、君のために風となる。

「ほんとに。明日からの連休もどうせ部活で潰れるし」

「オフ合わないから、私達まともに遊んだことないよね」

「そういえばそうね」


運動部、しかもお互いが強化指定となると、オフが合うことはまずない。

私がオフだった日に職員会議だとかで急遽真田がオフになった時、学校帰りにクレープを食べに行ったくらいだ。


「奇跡的にオフ被ったら、今度どっか行こうか」

「お、いいじゃん。遠出したい」

「いいね」


なんてことない会話に華を咲かせていると、背後で歓声が上がった。

真田と顔を見合わせてから振り返ると、反対側のコートで男子の試合が白熱していた。

その中心にいるのは、バスケ部の牧野くんと──康介。


「うわ。あいつさすがだね」


呆気にとられている真田がぽつりとこぼし、私も無意識に頷いていた。

バスケ部に引けを取らないスピードに、シュートのフォーム。

コートを挟んで反対側にいる女子達も、男子のコートに釘付けになっている。