リョータの言葉に私の想いを乗せて、康介にぶつけた。

そして、その想いはしっかりと康介に伝わってくれたと思ってた。


「……はっ」


ヒートアップする私の腕から離した手で、顔を覆った康介。

硬直した私は、ただ呆然とその様子を眺めることしかできない。


「ははっ……ははは!」


乾いた笑い声が、私の部屋に響く。

口元は確かに笑っているのに、笑っているようには見えない。

なんだか不気味で耐えられなかった私は、苦し紛れに声を出した。


「こうす……」

「俺、一言一句覚えてるよ」


笑い声が止み、私の言葉を遮るように、顔を覆ったままの康介が絞り出すような掠れた声でぽつりとこぼした。


「あの時、お前がかけてくれた言葉を。すっげぇ嬉しかったことも、全部覚えてる。……それなのに」


康介の目元から手が退けられ、私は言葉を失った。

赤く染まった幼なじみの目から、大粒の涙がこぼれたからだ。一粒落ちると、他の雫達も後を追うように康介の頬を慣らしていく。